公立高校だったので、修学旅行は京都奈良。中学生の時も行っているし、くじで決まった行動班は、クラスで1番キモいと思われている、漫画研究部部長とその仲間。本当にテンションが下がる。それでもこれは、高校の授業課程の一環だ。サボるわけにはいかない。練りに練った観光コースは、電車やバスを乗り継いて、できる限り多くの名所を周ろうというものだった。これは、漫画研究部部長たちがあれこれ調べてくれたのだが、こういう時はオタクは本当に頼りになると感じた。また、移動手段が公共の乗り物だけなので、予算の面でも素晴らしい計画となった。

しかし、計画というのは、必ずしもその通り進むというものではない。最初の電車が、人身事故の影響で遅れてしまったことから始まり、私たちの計画はどんどん狂い始めていった。もともとできるだけ多くの名所を周ろうと無理な計画を立ててしまったため、一つの場所をゆっくり楽しむこともできず、長い石段を何段も上がってやっとたどり着いたと思ったら、今日は休館日という場所さえあった。予定の半分くらいしか回れず、どこも中途半端な観光になり、宿に戻った時には疲れ切っていて、行動班のメンバーの仲も険悪になってしまった。

夜に他の班の子たちから話を聞くと、皆でお金を出し合ってタクシーを使ったら、タクシーのドライバーさんがいい人で、本当に素晴らしい京都を色々案内してもらえたとか、マスコミでも全国的に話題の名物料理を堪能したとか、それぞれ思い思いの修学旅行を楽しんでいた。有意義な時間を過ごせず、大切な1日を無駄にしてしまった私は、最初から欲張り過ぎたり、お金をケチってはいけないと、この時に初めて学んだ。